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ファッションの祭典を徹底解説!「東京コレクション」と「パリコレクション」って何が違うの?

更新日:10月1日

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「東京コレクション」や「パリコレクション(パリコレ)」という言葉をニュースやファッション誌でよく耳にしますが、「結局あれって何?」「なぜそんなに重要なんだろう?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。


これらの「コレクション」は、単なるファッションショーのイベントではなく、次のシーズンのトレンドを決定づけ、世界のファッションビジネスを動かす巨大な「情報発信基地」です。


この記事では、ファッション業界における「コレクション」の基本的な意味から、世界の頂点に立つ「パリコレクション」と、日本の独自性を発信する「東京コレクション」の違いまでを、分かりやすく解説します。


そもそも「コレクション」って何?


私たちが普段「コレクション」と呼んでいるものは、正確には「ファッション・ウィーク(Fashion Week)」という大規模なイベントの総称です。


「ファッションショー」と「コレクション」の違い


用語

意味

補足

ファッションショー

一つのブランドが単独で新作を披露するイベント。

個々のデザイナーやブランドが主役。

コレクション

複数のブランドのファッションショーをまとめて開催する、期間と都市名を冠したイベント。

「ファッション・ウィーク」とも呼ばれる。世界のバイヤーやプレスが一斉に集まる。


開催時期と目的


コレクションは、基本的に年に2回開催されます。


  1. 春夏コレクション (S/S Collection)

    毎年9月~10月頃に開催。翌年の春・夏シーズンに向けた新作を発表。

  2. 秋冬コレクション (A/W Collection)

    毎年2月~3月頃に開催。同年(来たる)の秋・冬シーズンに向けた新作を発表。


これらのイベントの最大の目的は、次期シーズンのトレンドを世界に向けて発信し、小売店(バイヤー)が商品の仕入れを決定するための重要なビジネスの場を提供することです。


世界のファッションをリードする「四大コレクション」


世界のファッションシーンの中心地とされ、特に影響力が大きいのが、以下の4都市で開催される「世界四大コレクション(ビッグ・フォー)」です。

  1. パリ(Paris)

    最も権威があり、芸術性が高い

  2. ミラノ(Milan)

    職人技とラグジュアリーに特化

  3. ロンドン(London)

    若手デザイナーと実験的なデザインが特徴

  4. ニューヨーク(New York)

    実用性とビジネス色が強い


これらのコレクションは、約1ヶ月間にわたってバトンタッチする形で連続開催されます。


この時期、世界中のファッション関係者が各都市を飛び回り、次のシーズンのトレンドを肌で感じ、ビジネスを決定します。


「パリコレクション」はなぜ特別なのか?


数あるコレクションの中で、最も華やかで、「コレクションの最高峰」と位置づけられているのが「パリコレクション(パリコレ)」です。


「パリコレ」はパリのブランドだけではない


パリコレの最大の特徴は、その「国際性」です。

パリという都市名がついていますが、単にフランスのブランドだけが集まるわけではありません。


世界中のトップメゾン(例:日本のCOMME des GARÇONS、ベルギーのDries Van Notenなど)が「世界で最も注目される場所」としてパリを選び、新作を発表します。


パリは、長い歴史の中でオートクチュール(高級注文服)が発展した背景があり、ファッションにおける「芸術性」と「創造性」が最も重要視される場所です。


そのため、トレンドを牽引するだけでなく、ファッションの未来を提示する場としての権威を持っています。


役割:芸術性とトレンドの発信


  • 参加ブランド

    Chanel、Dior、Louis Vuittonなど、世界的ラグジュアリーブランドや、実験的なトップデザイナー。

  • 特徴

    規模、歴史、権威、そして発表される作品の芸術性・デザイン性において群を抜いており、世界中のメディアとバイヤーが最も注目します。


日本独自の文化と技術を発信する「東京コレクション」


パリが世界最高峰ならば、日本のファッションシーンの顔となるのが「東京コレクション」です。(現在は「楽天 ファッション ウィーク東京」といった名称で開催されています。)


「東京」は「アジアのファッションハブ」


東京コレクションは、主に日本を拠点とするブランドが参加し、彼らの創造性や、日本の繊細な技術、独自のストリートカルチャーを世界に発信する場です。


パリコレが「芸術性」を追求するのに対し、東京コレクションは「リアルクローズ(現実的な服)」「日本の独自性」のバランスが特徴です。


特に、日本の若手デザイナーがデビューする登竜門としての役割も果たしており、多様性があり、エネルギッシュな魅力に溢れています。


日本の創造性の提示とビジネス拡大


  • 参加ブランド

    日本発のブランドが中心。若手からベテランまで幅広い。

  • 特徴

    • 独自性

      欧米とは異なる視点や、日本のポップカルチャー(ストリート、アニメなど)の影響を受けたデザインが多く見られる。

    • 技術力

      緻密なパターンや、高度な染色技術など、日本の職人技に裏打ちされたコレクションが多い。

    • ビジネスハブ

      アジア圏のバイヤーやメディアにとって、日本のファッションを仕入れるための重要な窓口となっている。


コレクションは「未来」を知る窓


「東京コレクション」も「パリコレクション」も、次期シーズンの服を発表する場という点は共通しています。しかし、その立ち位置と役割は明確に異なります。

要素

パリコレクション (パリコレ)

東京コレクション (Rakuten FWTなど)

権威・位置づけ

世界最高峰。芸術性と権威。

アジアのファッションハブ。日本の独自性。

参加ブランド

世界のトップメゾン、国際的なデザイナー。

日本を拠点とするブランドが中心。

重視される点

芸術性、創造性、トレンドの提示

実用性、日本の技術、多様なストリートカルチャー

これらのコレクションを通して、私たちは「来年、どんな服を着るのか」という未来のファッションを知ることができます。


次にニュースで「〇〇コレクション」という言葉を見かけたら、ぜひそのブランドが何を表現し、どんなトレンドを生み出そうとしているのかに注目してみてください!

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